山口県からのアレルギー情報
アレルギー疾患を有するお子さんの入学準備
【注意】市町によって対応等は異なります。今回は、経験者の実体験もふまえ、入学準備のイメージとして作成しています。実際は市町や学校等からの連絡に基づいた対応をお願いします。
入学までの流れ(イメージ)
9月~11月頃
- お子さんのアレルギー疾患に関して、学校での配慮・管理が必要であることを学校に申告します。
- 学校から「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を受け取ってください。
アレルギーに関して正確な診断を受けておくことが大切です。
食物アレルギーは自己判断による除去食ではなく、「経口負荷試験等」による正確な診断に基づく正しい管理が大切です。
学校生活管理指導表の例
主治医の先生との相談結果もふまえ、保護者と学校でしっかりと正しい情報共有をするため、以下の項目等を事前に整理しておくと良いです。
学校生活管理指導表はどんなもの?
- 主なアレルギー疾患を表裏一枚で記載できるようになっています。
- (例)
表:食物アレルギー・アナフィラキシー・気管支ぜん息
裏:アトピー性皮膚炎・アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎
- 主治医の先生には、お子さんの疾患についての情報と、学校生活上の指示を記載してもらいます。
- ①「病型・治療」欄
アレルギー疾患の原因や症状、服薬中の薬など、お子さんの疾患の状況が記載されます。
②「学校生活上の留意点」欄
学校生活における配慮・管理すべき事項が記載されます。
③緊急時の対応などのため、「学校生活管理指導票(アレルギー疾患用)」に記載された情報を
学校の教職員全員及び関係機関等で共有する必要があります。保護者の署名をしてください。
就学時健診~翌年2月
- 各疾患ごとに主治医(かかりつけ医)の先生に「学校生活管理指導票(アレルギー疾患用)」の記載をお願いしてください。
- 「学校生活管理指導票(アレルギー疾患用)」を基に、学校と保護者の方とでお子さんの学校生活における配慮や管理について決定します。この際、必要に応じ、さらに詳しい情報の提出をお願いすることがあります。
やまぐちアレルギードクター・サポートスタッフの検索画面では、診療所等の小学校区も表示しています。
どんな事前準備をするといいの?
主治医の先生との相談結果もふまえ、保護者と学校でしっかりと正しい情報共有をするため、以下の項目等を事前に整理しておくと良いです。
- アレルギー症状
- アレルギー症状の既往歴、幼稚園・保育園等での対応状況、運動誘発アレルギー症状等
- 学校生活上の留意点
- 授業・学校行事(集会・昼休み・掃除等)で気を付けて欲しいこと、気になること
- 給食のアレルギー対応
- 食物アレルギーの程度(主治医の診断をふまえて)、除去食の場合の代替食の対応方法(弁当など) 本人(子ども)の食物アレルギーへの理解状況
- 緊急時の対応
- アナフィラキシー発生時の対応、緊急連絡先・連絡手段の共有
先輩ママ・パパからのアドバイス
- 面談の時間も(次の方がいるため)限られていました。また4月に先生方の異動がある場合もあるそうです。私の場合はアレルギー症状等を事前に紙などに整理して相談したので、学校との情報共有がスムーズでした。
- 保育園の時は、園内調理による給食であったためか色々と調整ができましたが、小学校は給食センターでの調理のため、経口負荷試験が必須と言われました。入学直前だったので、病院への予約など、焦ってしまいました。
- 経口負荷試験は、入院が必要な場合や外来対応のみで対応可能な場合等、患者の症状等に合わせてケースバイケースのようでした。早めにかかりつけ医に相談することをお勧めします。
- 初めての小学校入学で、食物アレルギーのことがとても気になりました。でも、学校に直接問い合わせる勇気は無く・・・。仮入学の時に学校へその不安を伝えると、「学校では組織的に取り組むのでいつでも相談してもらえれば」と。不安なことは早めに相談すれば良かったと思いました。
- 入学準備として、自分のアレルギーのことは自分で説明できるよう、絵本やインターネットの動画を使い親子で学びました。子どもも新1年生になる心構えが(少しだけ)できた気がしています。
- 入学前に、先生方と話し合いの席を設けたことや、同級生の親御さんや子供達に伝える機会があったことは良かったです。また、自分の子どもにもきちんとアレルギーについての説明をして対応の仕方を伝えました。
- アレルギーの本を教室に置かせてもらうことができました。
- エピペンを学校と本人の2本持ちだったので、学校のどの場所に保管するかを相談しました。
- 小学校に入る前に、学校のアレルギー対応の様子を聞きに行かせてもらいました。1年生は給食開始日が遅いので、それまでに他の学年の給食の様子を見せて貰えました。
- 1年と2年の時には、クラスの子にアレルギーのことをお話に行きました。児童クラブにも在籍したので、そちらにも事前に相談に行きました。学校とクラブとは組織や職員の対応が違うので、必ず確認したほうがいいと思います。
- アレルギーのことを他の子に伝えることがいいかどうか、伝えることでいじめにつながらないか最初とても悩みましたが、正しい知識を伝えて周りが助けになってくれると信じて、伝えることにしました。また、担任とのコミュニケーションも大事だと思います。
- 症状は変化することがあります。継続して管理・指導が必要な場合は、原則として内容が同じでも毎年新しい「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を提出してください。
参考
学校におけるアレルギー疾患対応マニュアル[令和3年3月改訂]
山口県教育委員会では以下のとおりマニュアル等を作成し、学校におけるアレルギー疾患対応体制の充実及び事故防止等を図っています。
平成26年にアレルギー疾患対策基本法が成立し、平成29年にアレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針が策定されました。この基本的な指針の中で、日本学校保健会が作成した「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」及び文部科学省が作成した「学校給食における食物アレルギー対応指針」等を周知し、教職員に対するアレルギー疾患の正しい知識の習得や実践的な研修の機会の確保などが示されています。
このような背景から令和2年ガイドラインが改訂されることとなり、山口県教育委員会においてもマニュアルの改訂を行うこととしました。
各学校等におかれましては、本マニュアルを活用され、アレルギー疾患を有する児童生徒が、安全・安心な学校生活を送ることができるよう、更なる取組の充実・強化をお願いします。
(山口県ホームページより)